「この顔見るのは“俺”限定」
“べつに、深い意味なんてねーよ”



って返されたら……って考えると、口なんか簡単に開けない。



もしそんなことを言われたら……。



あたし、絶対に立ち直れない自信があるもん。



だから、今日も、チラチラ見るだけ。



汐見廉があたしの視線に気づいて、こっちを向こうとしたら……。



急いでパッと目をそらす。



その繰り返し。



そうこうしているうちに、夏休みに突入した。



汐見廉とは、なんの進展もないうちに。
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