「この顔見るのは“俺”限定」
それに引き換え、あたしは……。



“可愛い女の子”になる努力を、最近怠ってたから。



うぅっ……。



なるべくなら、見られたくない。



あたしは、ガッツリ見たいけど。



そんな都合のいいことを考えながら、周囲にすばやく視線を走らせる。



繭は、どこにいるんだろう?



あっ! 見つけたっ!!



りっちゃんの横にいた繭の後ろに、サッと隠れる。



とは言っても、あたしは背が高いから、間違いなくはみ出してたと思うけど。
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