「この顔見るのは“俺”限定」
くやしいよ……。
“やってしまった”と思ったときには、あとのまつり。
「うえーん。
怖かったよぉ~」
と、泣きながら戻ってくるクラスメートたちを茫然と見つめることになった。
「もう大丈夫だって!」
となぐさめる汐見廉はもちろんのこと、他の男子たちもみんな、ものすごく頼もしく見える。
もちろん、そんな男子たちを頼る女子たちは、すごく可愛い。
“うー、いいな~。
あーゆーの。
あたしも、汐見廉とまわりたかったな~”
いまさらながら、うらみがましくブツブツつぶやく。