「この顔見るのは“俺”限定」
「それでも!
全体が見渡せるわけじゃないから、どこに誰がいるかわからないじゃん!」



「ごっ……」



「だから、繭っ!?
言葉と声の音量には、くれぐれも注意してよねっ!!」



小声でこそこそ、でもキッパリと。



苦しそうにもがく、背の小さな繭をにらみつけ、きっちりと念を押す。



「だから、この手を離しても……。
ぜ――――ったい、大声なんか、出さないでよねっ!!」



ピシッと繭に言い放ち、あたしは繭の口をふさいでいた両手を離した。



でも……。



「だって、ありさっ!!!
アンタが、汐見廉に告白って……。
そりゃ、めちゃくちゃ、驚くでしょ!!!」
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