「この顔見るのは“俺”限定」
「んじゃ、休憩はほどほどにして。
残りのルート、がんばれよ」



汐見廉はスタスタ、あたしの横を通り過ぎた。



「えっ?
ちょっ……。
本当に行っちゃうの!?」



思わず、焦った声が出た。



ギュッとかみしめた唇の意味なんて、なかったらしい。



すぐにぱくっと開いちゃったんだから。



「ん?
なに?
それ、どういう意味?」



足を止めた汐見廉が振り返る。
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