「この顔見るのは“俺”限定」
「ふーん。
じゃあ、たとえば、こんな風に?」



あたしの頬に、そっと手がそえられた。



「……え?」



と、小さく声を出した。



次の瞬間……。



ふわっとあったかいものが、あたしの唇に重なった。



「……っ!?」



なに、いまの?



あたしの唇をゆっくりと離してから、汐見廉はあたしの顔をのぞきこんだ。
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