「この顔見るのは“俺”限定」
「繭――っ!?
ギャグって、なにソレ。
あたしのこと、思いっきりバカにしてるでしょ――っ!!!」



ぷんっとふくれっ面をして、ムッと小さい繭を見下ろす。



「あははは……。
だから、ごめんって!」



「“ごめん”じゃないよ。
繭、笑ってるじゃん!
それに、あたしだって、恋くらい、するんですっ」



さっき以上に、ムッと不機嫌な顔をした。



すると繭は……。



「いやいや、違う。
笑ったのは、ソコじゃなくて……」



と言いながら、手を横に数回振った。
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