「この顔見るのは“俺”限定」
「……かわいすぎなんですけど、その顔」



甘くしびれるような低い声が降ってきた。



「……え?
かわ……いい?」



慣れないキスに、息もとぎれとぎれになりながら聞く。



だって……。



汐見廉に“可愛い”なんて言われたのは、はじめてだったから。



「うん、可愛い。
つか、かわいすぎ」



汐見廉は、あたしのおでこに自分のおでこをくっつけた。



「言っただろ?
この顔見るのは“俺”限定って」
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