「この顔見るのは“俺”限定」
いくつのも思いと考えが、頭をぐるぐるかけめぐる。



だって、あたし、可愛い女の子になれてないよ?



でも、キスされたのは、事実だし……。



いやいや、待って。



相手は、あの汐見廉じゃん?



あたし、大勢いる女の子のうちのひとりってことも……。



答えを導き出せずに、焦る。



唇をかみしめたり、手をギュッと握ってみたり。



そわそわ焦点の定まらない目で汐見廉を仰ぎ見た。



そのとき……。
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