「この顔見るのは“俺”限定」
「あっ!」と小さく叫んだ汐見廉が、勢いよく立ちあがった。



「やっべ。
マジで忘れてた」



焦ったように口に出し、それから空に向かって、こう叫んだ。



「俺は、桐山ありさが大好きだぁ――っ!!!」



「……えぇっ!?」



汐見廉……。



アンタ……頭がおかしくなっちゃった?



そんなことを叫ぶなんて。



汐見廉らしからぬ行動に、ぽかーんと大きく口を開ける。
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