「この顔見るのは“俺”限定」
「だって、そうでしょ。
超ど真ん中じゃん」



「……っ。
ま、まぁ……。
それはそうだけど……」



「でしょ?
汐見廉なんて、顔が超絶いい、ただのイケメン」



……って、繭。



「それは、聞き捨てならないなぁ」



あたしは、さっきよりも、格段に不機嫌な顔をして見せた。



「汐見廉は。
顔が超絶いい、ただのイケメンなんかじゃないよっ」



「えー?
じゃあ、たとえば?
汐見廉のいいところを言ってみて」



繭は、“あたし、わかんなーい”って顔をする。

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