「この顔見るのは“俺”限定」
……って。



違うわぁ!!



「くっ……」



よりによって、あたしは、あの“叫び”を……。



汐見廉〝本人”に聞かれちゃったってわけ!?



しかも、そのうえ、しまいには……。



売り言葉に買い言葉で、



「……っさいなぁ。
上等じゃん!



今に見てろ!
あんたがほえ面かくくらい“可愛い女”なってやるっ!!



それで、アンタに、絶対!!
“俺は、桐山が大好きだぁ――っ!!”って、叫ばしてやるんだからぁ!!!」



……なんて、可愛くないことまで叫んでしまった。
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