「この顔見るのは“俺”限定」
「いや……。
あのですね……?
今のは……。
うそっていうか……。
いや……うそでもないっていうか……」



テンパって、もごもご言い訳をする。



パンパンパン……と、制服の汚れを払う汐見廉。



モジ……っと。



汐見廉を見上げると、ヤツは、超生意気な顔であたしを見下ろした。



「いいんじゃね?
この俺を。
オトせるもんなら、オトしてみれば?」



「……えっ!?」



「簡単だろ?
ただ、おまえが……。
俺の好みの“可愛い女”になればいいだけなんだから」
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