「この顔見るのは“俺”限定」
「……なっ。
なっ……。
なんて生意気なっ!」



「つーか、本当のことだろ?
あ・り・さ・ちゃん?」



そう言って、くすくす笑う汐見廉。



くぅ……。



こんなときなのに、ときめくあたしって、変態か!?



でも、ときめいてるのを知られたくなくて、あたしは……。



「……っさいなぁ。
上等じゃん!



今に見てろ!
あんたがほえ面かくくらい“可愛い女”なってやるっ!!



それで、アンタに、絶対!!
“俺は、桐山が大好きだぁ――っ!!”って、叫ばしてやるんだからぁ!!!」



……なんて、可愛くないことまで叫んでしまった。
< 55 / 328 >

この作品をシェア

pagetop