「この顔見るのは“俺”限定」
う、やばい。



と思ったときには、後の祭り。



「……ありさ。
今の……思いっきり、可愛くない」



いつの間に横に来たのか、繭にも、制服を引っ張られて耳打ちされた。



もちろん、やれやれ……といったように、首を横に数回振っている。



う、お!



繭にも見放されかけてる!



……っていうか、見放された!?



そう気づいたときには、本日2度目の、売り言葉に買い言葉みたいな〝告白”はすでに終わっていた。

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