「この顔見るのは“俺”限定」
目指してみますか?“可愛い女”
ポツン……と屋上に取り残されて、生ける屍のようになったあたしの肩を繭が叩いた。
「よかったじゃん。
ありさっ。
とりあえず……。
念願の、“汐見廉に告白”ってヤツができたじゃん♪」
……って。
「繭の……。
繭の……。
繭のバカ――ッ!!」
あたしは、キッときつく繭をにらんだ。
あんなの……。
汐見廉の好みの〝可愛い子”がするような“告白”じゃないし。
もちろん、絶対、言うようなことじゃない。