「この顔見るのは“俺”限定」
女子たちは、そろいもそろって、みんなメモ帳とボールペンを片手に、熱心にいろいろ質問してる。



でも汐見廉は、入学当時から一貫して、好きな女の子のタイプだけは答えない。



いつものらりくらりと質問をかわす。



そんな態度に、しびれをきらしたんだろう。



ひとりの女の子が叫んだ。



「ねぇ。
そろそろ教えてくれてもいーじゃん!
汐見くんの好きなタイプの女の子~!!」



「……はぁ?
好きな女のタイプ?」



姿形は見えないけど、ようやく、面倒くさそうな低い声が聞こえた。


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