「この顔見るのは“俺”限定」
他の男の前では、するなよ?
「あの……さ。
これ……なに!?」
あたしが渡した銀ホイルに包んだものを胡散臭そうに見て、汐見廉はボソッと低い声でつぶやいた。
「……えっとぉ……。
さっき調理実習で作った“おいし~いピザ”だよぉ~♪」
家庭科の調理実習後の教室。
他の女子たちに先を越されないように、めちゃくちゃダッシュで帰ってきた。
そして、まわりに誰もいないのを確認してから……。
あたしは、家庭科で作ったピザを汐見廉に差し出した。
もちろん、あたしのブレーン、繭の指令通り!!