「この顔見るのは“俺”限定」
くらくらしすぎて、倒れそう。



だから、ぷいっと横を向いた。



「な、なに言っちゃってんの!?」



その瞬間……。



「おまえ、この顔。
他の男の前で、絶対するなよ」



手首をギュッとつかまれて、少しだけ立ち上がった汐見廉に、耳元でささやかれた。



「この顔見るのは“俺”限定」



「……えっ?」



な、に?



今の……。
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