「この顔見るのは“俺”限定」
みんなが来るのが遅かったのは。



こうやって、ピザをキレイにラッピングしてたからなんだ。



女子達がうれしそうに渡すピザは、どれも可愛い袋や包み紙で包装されていて。



キラキラと色とりどりに輝いていた。



あたしみたいに、銀ホイルのまま手渡す子なんて、ただのひとりもいなかった。



そっか……。



あたし……。



また、間違えちゃったんだ……。



自分のがさつさが恨めしくて、唇をかみしめる。



これじゃあ、汐見廉が、銀ホイルに包んだピザをつまんで、ぷらぷら横に揺らすわけだ。
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