「この顔見るのは“俺”限定」
「……んなに、食えねぇって。
もう、いらねー」



それに反応して、女子達が金切り声をあげる。



「えー。
じゃあ、あたしのはー?」



「あたしのだって、食べてほしい~!」



「ねぇ。
みんな、汐見くんのために作ったんだよ!!」



口ぐちに叫ぶ女子たちの悲鳴に。



「あーもー。
わかった。
うるせーなー」



ぶっきらぼうな返事をする汐見廉。



「つか、おまえら。
全員、食べてもらえると思うなよ?」



そんな生意気な言葉を投げるくせに……。
< 87 / 328 >

この作品をシェア

pagetop