恋の仕方がわからない
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「そんな!!悪いです!」
「全然悪くないよ。後輩は黙って奢られてなさい」
伝票を高い位置にあげて渡してくれる素振りなんて一切見えない。
これはほんとに奢ってくれるんだろう。
でも本当に悪い。
「いいんだよ。俺が好きでやってるだけだから、ね?」
そう言われれば、それでいいのかとも思えてくる。
「今度何かお返しします!」
「うん…すごい…嬉しい」
あたしの言葉に凄く嬉しそうに頷いた先輩。先輩の笑顔はみんなを笑顔に出来る魔法だ。
お会計が終わるとそこでお開きになった。
「じゃぁまたね、奈子ちゃん」
先輩が頭をクシャッとしてくれた。
「…………え!?」