【長編】戦(イクサ)小早川秀秋篇
この時の輝元から差し出された
連判状には秀秋の署名もあり、秀
次と同じように三成、長盛らの詰
問を受けることになった。
話を聞いた秀秋は署名したこと
をあっさりと認めた。
三成が困り顔で話した。
「お待ちください秀秋殿。先ほど
話しましたようにこの連判状は偽
物です。それをお認めになられて
は困ります」
「偽物と言い張れば処罰を免れる
のか。それでは太閤と輝元殿がお
困りであろう。偽物であろうが本
物であろうが、太閤の認めた関白
の命に従わぬ者がおりましょう
や。そう太閤に伝えい」
そう言うと秀秋は何食わぬ顔で
立ち去った。そして急いで居城に
戻り、山口宗永と稲葉正成に告げ
た。
「山口は三原の父上様に領地を貰
い受けること、すぐに話をまとめ
てまいれ。稲葉はこれから浪人が
溢れるからここに来るものは全て
受け入れるよう用意しておけ」
秀秋はこの窮地を好機とみて目
を輝かせていた。
連判状には秀秋の署名もあり、秀
次と同じように三成、長盛らの詰
問を受けることになった。
話を聞いた秀秋は署名したこと
をあっさりと認めた。
三成が困り顔で話した。
「お待ちください秀秋殿。先ほど
話しましたようにこの連判状は偽
物です。それをお認めになられて
は困ります」
「偽物と言い張れば処罰を免れる
のか。それでは太閤と輝元殿がお
困りであろう。偽物であろうが本
物であろうが、太閤の認めた関白
の命に従わぬ者がおりましょう
や。そう太閤に伝えい」
そう言うと秀秋は何食わぬ顔で
立ち去った。そして急いで居城に
戻り、山口宗永と稲葉正成に告げ
た。
「山口は三原の父上様に領地を貰
い受けること、すぐに話をまとめ
てまいれ。稲葉はこれから浪人が
溢れるからここに来るものは全て
受け入れるよう用意しておけ」
秀秋はこの窮地を好機とみて目
を輝かせていた。