課長と私
課長の命に別状がないことを確認して、他のメンバーは会社に戻っていった。
私は転んでしまった時の傷の治療をお願いして、その間も緩奈が付き添ってくれた。
「楓、柳瀬課長ね様子がおかしくなったの、楓が目腫らして出勤してきた翌日からだよ。」
「…え。」
「その日からどんどん衰弱していったよ。楓のこと、大切に思ってるからこそだと私はそう思うよ。だから…胸を張って、会いに行ってきな。大丈夫だから。」
「緩奈…私…っ」
さっきまで我慢していた涙がポロポロと流れていく。
先輩は私のこと忘れてなんていなかった。それがただただ嬉しい。
「私…先輩の……傍にいってくるね…」
「うん。いってらっしゃい。」
本当のお姉さんのように頭を優しく撫でてくれた。
自信が少しだけ出てきた気がする。
先輩が寝ている病室に入り、ベッドのすぐ隣に椅子を置いた。
4人部屋のようだが、他に患者さんはいなかった。
痩せこけてはいるものの長いまつげと高い鼻、薄い唇が夢中にさせる。
「私、先輩のことが好きです。…自分で不釣合いだなんて言っておいてこんなことおかしいかもしれないですけど……」
聞こえているのかもわからないその人に向かって話す。
今しか言えない気がする。
こんなに素直に言葉にして伝えるなんて、もう無いかもしれない。
「もう、離れたくないです。…先輩と離れるなんて、私が嫌です。先輩が、私のこと…必要としてくれるなら……私っ」
何回涙を流せば伝わるのだろう。
何でこんなに心を揺さぶられるんだろう。
やっぱり、この人のことが心から好きだからだと思う。
私は転んでしまった時の傷の治療をお願いして、その間も緩奈が付き添ってくれた。
「楓、柳瀬課長ね様子がおかしくなったの、楓が目腫らして出勤してきた翌日からだよ。」
「…え。」
「その日からどんどん衰弱していったよ。楓のこと、大切に思ってるからこそだと私はそう思うよ。だから…胸を張って、会いに行ってきな。大丈夫だから。」
「緩奈…私…っ」
さっきまで我慢していた涙がポロポロと流れていく。
先輩は私のこと忘れてなんていなかった。それがただただ嬉しい。
「私…先輩の……傍にいってくるね…」
「うん。いってらっしゃい。」
本当のお姉さんのように頭を優しく撫でてくれた。
自信が少しだけ出てきた気がする。
先輩が寝ている病室に入り、ベッドのすぐ隣に椅子を置いた。
4人部屋のようだが、他に患者さんはいなかった。
痩せこけてはいるものの長いまつげと高い鼻、薄い唇が夢中にさせる。
「私、先輩のことが好きです。…自分で不釣合いだなんて言っておいてこんなことおかしいかもしれないですけど……」
聞こえているのかもわからないその人に向かって話す。
今しか言えない気がする。
こんなに素直に言葉にして伝えるなんて、もう無いかもしれない。
「もう、離れたくないです。…先輩と離れるなんて、私が嫌です。先輩が、私のこと…必要としてくれるなら……私っ」
何回涙を流せば伝わるのだろう。
何でこんなに心を揺さぶられるんだろう。
やっぱり、この人のことが心から好きだからだと思う。