課長と私
ep.7
「はぁ……」
「どうしたの楓。」
緩奈といつものカフェでランチ
彼はあの日から数ヶ月間、私をなかなかかまってくれないほどに徐々に忙しくなった。
会社にビックプロジェクトが来たらしい。
私や藤崎も手伝ってはいるが、本質的なところにかかわっているのは課長クラスの役員と聞いている。
仕事にやきもちだ。
そのせいで気持ちがもやもやして憂鬱な気がする。
「課長とうまくいってないの?」
「え……うーん。」
「え!…本当??大丈夫なの楓…」
「…んー…」
「ちょっと楓~!それじゃあ分からないじゃん!」
「んー…」
自分でもわかるくらい上の空。
眠くてけだるい感じ。これがマンネリ化というものなのか…
まさか…結婚指輪をもらってからうまくいかなくなるだなんて……
あぁ、想像したくない。
悶々としたままお会計を済ませ、会社に戻る。
「おい。」
「……」
「須藤」
「……」
「すーどーおー」
「………はぁ」
「お前大丈夫か?」
突然藤原が視界に入ってくる。
びくっとしたものの声に出ることは無かった。
「さっきから呼んでるのに無視かよ。」
「えっ嘘。全然気づかなかった。考え事してて…ごめん。」
「無い頭で考え事してたら知恵熱出るぞ。」
キッと睨んで無言でパンチをくらわせてやった。