課長と私


「可愛かったですよ…昨日のは…」



「……言わないで」




「何でですか」




「あれは…違う……」



「ふふふ…それと、私は和田さんにいいことを教えてもらいました。」



「いいこと?」



「試しても良いんですか?」





彼の顔に自分の顔を近づける。

かかっている髪をどけて左耳に唇を落とした。
わざとリップ音をたてて。





「……っ!?」




「左耳…弱いって聞いて。」




「あいつ…まじ……」





珍しい。彼の顔が赤い。左耳も赤い。

可愛い。





「ちなみに右はどうなんですか?」




「…試してもいいけど、倍返しだからね。」




「え…ちょっと待っ……」




「楓ちゃんも弱いでしょ、耳。」




「あっ…ま、って……」




ソファにそのまま押し倒される。

じっくり時間をかけて確かめ合った。



甘い甘い休日の始まり。





Fin.
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