課長と私
「くれるでしょ?」
「…はい。私にもくれますか?」
「当たり前でしょ。」
「ふふ…」
抱き合っていた体を離して微笑みあう。
「例えばさ、俺と楓ちゃんが同じ学校だったとして、年齢も近くてさ…」
「私、何回か考えたことありますよ。」
「俺のこと好きになったと思う?」
「んー…先輩後輩だったとしたら、部活でも一緒でなければ厳しいかと…」
「えー…」
「同じクラスでも…あんまり接点なさそう、ですよね?」
「ええぇ……ひどいな楓ちゃん」
「亮くんだって、当時の私なんて眼中にないですよね?」
机に置かれたアルバムを指さす。
何度も言うが、私は大学デビューだ。めちゃくちゃ頑張った。
「俺は……気づきたいし、好きになりたいと思う。」
ちょっとだけ考えるようにして、ぼそっと呟く。
切実な気持ちが伝わって、胸がきゅんとした。
「それは…ずるいです。」
「何で。」
「今の状況を兼ねて言ってるでしょ。」
「厳しいな…」
「………私も、です。」
「ん?」
絶対聞こえてたでしょ。
こういうところもずるい。
「わ、私も…亮くんのこと好きになりたい……制服デート、したかったんですよ…」
「楓ちゃんの制服姿…それは、生で拝みたかった…」
「急に変態チックな言い方しないでください」
「スカートから覗く生足…」
「もー!やめてくださいって…」
バシバシと彼の太ももを叩く。
その手をとられ、目と目が合う。