課長と私
ep.2
そのあとの飲み会では、先輩からあんなに注意を受けていたにも関わらず、飲めないお酒を飲み過ぎて緩奈に介抱される始末。
でも、それもこれも、先輩があんなことするからだ。きっとそう。
飲み会が始まったころの記憶はあるのに後半の記憶がほとんどない。
目が覚めたら先輩の家。
どうやら何とかして私を連れ帰ってくれたらしい。
……会社の人ばかりのあの席でどうやって連れてきてくれたかは謎。
「う…頭痛い……」
「楓ちゃん…もうお酒飲んじゃダメ。」
なんとなくムッとしている先輩。
きっと私が何かやってしまったのだろう。
「あの…私、昨日…」
「………。」
「先輩?」
「…知らない。」
どうしよう、結構分かりやすく怒ってる…
昨日の私は一体何をやったのだろう…
先輩の隙を見てベランダに出る。
携帯のディスプレイに緩奈の名前を表示させた。
「もっもしもし緩奈??」
「あ、楓~?どうしたの~」
顔を見なくてもわかる。
受話器の向こうでニヤニヤしている緩奈。
「私…昨日何やった…?」
「えー?うーんと、ある人には超嬉しいこと??彼氏には内緒にしておいた方がいいかもね~」
「何それ…。もったいぶらないで教えてよ!」
「はいはい…それじゃあ心して聞くように!」
その言葉を合図にして私もぎゅっとこぶしを握った。
冷汗がだらだら出てくる。