体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
「で、どうするつもりなんだ」
「…………」

すぐに答えを返せない優に、父が穏やかに話し始めた。

「心変わりはある。それは仕方がないことだと思う。人を好きになるのは、時にはまるで落雷のように突然のことだからな。ただ彼女のことを泣かすなというのが無理でも、だますようなことだけはしちゃいけない。気持ちに迷いがあるまま、他の人に心を寄せながら、彼女と付き合い続けるのは罪だ。自分の気持ちを偽る時間が長いほど相手を傷つけることになることを忘れるなよ」
「わかってるよ――」
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