体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
第11章 新しい恋へ
優は翌日、クリスマスの夕方だというのに、生徒の作品展の経費について相談したいと母親から本校に呼び出された。
夜は綾香も含めて友人とのクリスマスパーティの約束が入っていたが、母は人の都合などまったく気にかけない。いつものことなので、腹も立たないが。
講座が終わるちょうどその時間に行ったが、母はまだ教室に顔をだしているようで、応接室兼事務所には誰もいなかった。
ソファに腰を下ろす。
もう夕暮れに沈む窓の景色に目をやったところでドアが開いた。

母かと思ったら、生美だった。
ジーンズにセーターにニット帽。まるで学生のように自由な雰囲気だ。
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