体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
優は有給を取って朝から沼田と由美の観光に付き合っていた。
1日中ダウンタウンからアッパーまで、イーストサイド、ウエストサイドを見て回り、チェルシー地区のイタリアンレストランで食事を終えた後、ミッドタウンにある優のアパートに集まっていた。
3人掛けのソファに座ってのけぞりながら「もしかして恋の戦に負けちゃった?」と茶化す沼田を優は目を細めて睨み、「ああ、戦にもならなかったけどな」と自虐的に答えた。

「結構似合いのカップルだったのにね。美弥と沖田くんて似てるもの」

由美が残念そうな顔をした。
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