体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
「俺と柏木が似てる?」
「似てるよね?」

由美が沼田に顔を向け、同意を求める。

「そういわれれば似てるな。雰囲気っつーか、なんつーか……。52色の色鉛筆で、隣り合って並んでる同系色の色鉛筆みたいな感じ?」

わかりやすいようなわかりにくいようなたとえをしてから「価値観とか似てたんじゃね?」と、沼田はニューヨークに来てからカットした、別段おしゃれでもなんでもないリクルートカットを右手でかいた。

「まあ……な……」

覇気なく認める優に「今さらだけどあんたたちって、お互いの気持ちは伝えてたわけ?」と言って、由美がポテトチップスをぱりぱり咀嚼した。

「そういうおまえは柏木からなにも聞いてなかったのかよ?」

沼田もポテトチップスをほおばる。
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