体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
あのニュースが流れた後には綾香のもとに、次々とメールやラインで連絡が入ってきた。

週末の夜にテレビなんか見ちゃって、みんな閑人なんだから、と綾香は小さく舌打ちする。


「別れちゃったの~? 上手くいってたからそろそろゴールインかと思ってたのに」
――ずいぶんあけすけじゃない――

「ニュース見てびっくり! いつ別れたの? もしやあの彼女に略奪された? それか綾香も新しい彼ができたとか?」
――ただの好奇心てんこもり――

「あんなに仲良しだったのにね。落ち込んでない? 大丈夫? 綾香は可愛いからまた言い彼がすぐにみつかるよ。ファイト」
――人の不幸は蜜の味。内心喜んでいるくせに――

「優君、新しい彼女とラブラブじゃん。彼女、足きれいだね」
――何がいいたわけ? 嫌がらせ?――


綾香はみんなに「お騒がせしてごめんなさい。あれは怪我した同窓生を負ぶってあげただけなんだって。優君も適当なこと言ったコメンテーターに激怒してました。私たちは相変わらずうまくいっているのでご心配なく!」と返信した。
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