囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
だから、同じ答えが嬉しいのに……ふざけてるんだか分からない及川のせいで、喜んでいいのかが分からない。
とりあえず、「なんで私に聞くの」と呆れて笑うと。
及川はふっと優しく微笑んだ後、私を正面から見つめた。
「薄情だし、意地も性格も悪いけど……それでもいい?」
改まっての告白に、収まっていた涙がまた溢れ出す。
及川がそんな目で……愛しそうに見つめてくるから、余計に。
及川の優しい眼差しも、少し不安そうに下がった眉も、涙を拭おうとして頬を包む大きな手も。
全部、初めて知るものばかりで、それに特別だって事を思い知らされ、熱い涙がまたこぼれた。
私は今、同期としてじゃなく及川の前にいるんだと思うと、嬉しくて堪らなかった。
「そんなの、知ってる。知ってて好きなんだから、本当、嫌になる……」
ぐずぐずと泣きながら言った私に、及川は少し笑って……それから「俺も好き」と言って唇を合わせた。
触れるだけのキスをして、そのままギュッと抱き締められて。
この体温を知るのは初めてじゃないのに、嬉しくて仕方なくて何度も何度も及川を抱き締めた。