囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


何度か角度を変えて触れた後、覗かせた舌で唇を舐めとられて、催促に応えるように口を開いた。
入り込んでくる舌に、首の後ろの方からぞくりとした感覚が生まれる。

むず痒いような、なんだか分からないそれが思考回路をぼやかし、代わりに身体を敏感にしているのを感じながら、キスに応える。

「ん……」

私よりも低い体温の舌が、咥内で私のそれと重なり温度が溶け合う。

わずかに立つ水音に、急に恥ずかしい気がしてわずかに目を開けると、まだまだ明るい部屋に気付き、あー……と思う。

私から誘った、みたいな感じなのに、今更明るくて恥ずかしいなんて事も言えずに、でもどうしても明るさが気になって困っていると。

キスをやめた及川が、少し不貞腐れたような顔をしながらヘッドボードに手を伸ばし何かのリモコンを取った。
そして、一度ボタンを押すとまたそれを放る。

今、何をしたんだろうと不思議に思い見ていると、再び私を組み敷いた及川が困り顔で笑った。

「俺は明るいままでもいいんだけど、明るいせいで深月が俺に集中してくれないと嫌だから」
「……分かってたんだ」
「分かるよ。キスしながら窓の方気にして、その後困ったみたいに戸惑った目して顔しかめてたから」

そんなに顔に出ていたかな、とバツが悪く思っていると、部屋に注いでいた光がじょじょになくなっていく事に気付いた。

窓を見れば、ブラインドが角度を変えている最中で、さっき及川が使ったリモコンがブラインドのものだったと気づく。

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