囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
「ラーメン、もう食べてきたの?」
確か大崎くんはラーメン組だったハズと思って笑顔を作って聞くと、大崎くんは真面目な顔のまま「はい」とだけ答える。
その声のトーンや表情に、今の花岡さんとのやり取りを聞かれていたのかなと確信する。
聞かれちゃマズイ事しか話していないだけに、どう言おうか、それとも大崎くんから切り出してくるまではとぼけてみようかと考えていると。
大崎くんは私の目の前まで来てから「及川さんの事、好きなんですか?」と、単刀直入すぎる問いを口にした。
でも、考えてみれば大崎くんはこういう子だ。
真っ直ぐで逃げ道なんか知らない、素直な子だ。
だから、私も誤魔化したりせずに想いをそのまま口にしようとして……それを大崎くんの手に止められる。
大崎くんが、私の手を握ったから。
「ちょっと、大崎くん……」
離して、と言おうと見上げた先にあった、驚くくらいに熱のこもった瞳にびくっと肩がすくんだ。
真剣すぎて、まるで突き刺さるような眼差しに声が出ない。
射抜かれるって表現は、こういう時に使うんだろうと思う。
視線から大崎くんの熱まで伝わってくるようで、息苦しささえ感じるほどだった。