囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~
自分のお茶を入れた大崎くんが隣に座ったところで、ついていたテレビが〝今日の特集は星座についてですー〟と、なんとも迷惑な単語を話題にあげた。
それを聞いて嫌な予感を感じつつ、視線を移せばにやーっと笑った花岡さんがこっちを見ているもんだから、またからかわれるのか、と苦笑いを浮かべる。
「大崎くんって、好きになるとその人しか見えなくなっちゃうタイプでしょ」
テレビの特集なんて気にせずにお弁当を食べていた大崎くんは、「え?」とキョトンとして花岡さんを見る。
「好きな人には毎日会いたいとかそういう風に思わない? 魚座の特徴なんだけど」
「あー、そうかもしれないです。俺、ずっと野球してきたんですけど、野球好きで、毎日しないと気がすまなかったですし」
そういう意味じゃない。
心の中でのツッコミが、多分花岡さんと重なったんじゃないかと思いながら聞いていると。
花岡さんは苦笑いを浮かべながら「ちなみに、彼女とかいた事ある?」と直球を投げた。
大崎くん相手に言葉のキャッチボールしたかったら、ド直球じゃなきゃ通じないって、花岡さんも気付いたらしい。
「ないです。俺、そういうの本当よく分かんなくて」
ハッキリとそう答えてお弁当を食べ始めた大崎くん。
それを見て、これ以上言っても無駄だと思ったのか。
花岡さんはキャッチボールを早々に諦め、矛先を私に変える。