ブライアン・ダウン
――誰にも言わないから教えて…

――あなたのことを私に教えて…

私が彼にできることと言ったら、彼の背中に自分の両手を回すことだけだった。

スーツのうえから爪を立てることだけが、私にできたほんの少しの抵抗。

朦朧とする意識の中で、私は目を閉じた。


いつもと同じマルボロのタバコの匂いに目を開けた。

さっきまで崩れていたはずのオールバックの髪は、元に戻っていた。

ワックスを使ってかっちりと固めたオールバックに、同じく鎧のようにかっちりと身につけているスーツ。

「――じゃ、またくるから」

彼は私に向かって手を伸ばすと、サラリと私の頬をなでた。

「次にくるまで、いい子にしていろよ」

☆★END☆★
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