四周年記念小説
そうきたか。

翌日、黒板に色々と書かれていた。

あまりにも言葉が幼稚過ぎて
消しながらガキだなぁと思った。

もう少し語彙を増やせよな。

そして、とうとう
嫌がらせまで
始めたらしい。

転校して二週間目、
満彦が昼休みに
坂北に来た。

「柾」

呼ばれるまで気付かなかった。

『満彦!?』

何で居るんだよ!?

「弁当届けに来たぞ」

そう言われて、
バッグの中を確かめると
確かに弁当は入っていなかった。

てことはだ、
須寿垣に行ってから
態々届けに来たことになる。

驚いて何も言えない俺に
満彦はいたずらが
成功したみたいな
顔をしている。

「“旦那”が作った
弁当を忘れて行くとは
酷い“妻”だな」

うん、まぁ、
立場上は間違っていないが
これは、態と言っているな……

先週のあれが原因か‼

あの話だけで俺に
何かあったとわかったのか。

『とりあえず、サンキューな』

満彦から弁当を受け取った。

そして、クラスメイトに
向かってこういい放った。

「“妻”と仲良くしてやってな」と。

それだけ言うと
教室を出て行った。

心配してくれたんだな。

放心しているクラスメイトは
ほっといて自分の席に
戻り弁当を食べることにした。

来るなら来るで
メールくらいして欲しかったぜ。

まぁ多分、俺を
吃驚させたかったのも
あったんだろうけどな。

その日の夜、俺は
満彦に改めて礼を言った。

更に一週間後、
クラスメイトからの
嫌がらせは無くなっていた。

かと言って
仲良くする気もないみたいだが。

一人の方が気楽だから
それはそれで構わない。

そもそも、友人を
作ろうなんて思っていない。
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