キミが愛しいと気付いたからで


心配と不安。

その2単語しかない俺。




『大丈夫だよ、悠斗なら。
 悠斗なら、絶対に大丈夫!』



そんな俺に、その人はそう言って微笑んだ。





『美嘉先輩、何を根拠にそう言ってんすか?』




『根拠ならあるよ。

 私は悠斗なら上手く部員を纏めていける力があると思うし、強い気持ちでみんなを引っ張っていけるって信じてる。

 だから、新部長、ファイト!』



その人は俺の背中に渇を入れようと一発叩いた。



背中に走る痛み。

その痛みを和らげる、その人の笑顔。





好き、だと思った。


この人の励まし方も。

この人の笑った顔も。


最初からこの人には好意しかなかった、けれどこの人と隣にいる今、本気でこの人を好きだと思った。



< 3 / 21 >

この作品をシェア

pagetop