キミが愛しいと気付いたからで
心配と不安。
その2単語しかない俺。
『大丈夫だよ、悠斗なら。
悠斗なら、絶対に大丈夫!』
そんな俺に、その人はそう言って微笑んだ。
『美嘉先輩、何を根拠にそう言ってんすか?』
『根拠ならあるよ。
私は悠斗なら上手く部員を纏めていける力があると思うし、強い気持ちでみんなを引っ張っていけるって信じてる。
だから、新部長、ファイト!』
その人は俺の背中に渇を入れようと一発叩いた。
背中に走る痛み。
その痛みを和らげる、その人の笑顔。
好き、だと思った。
この人の励まし方も。
この人の笑った顔も。
最初からこの人には好意しかなかった、けれどこの人と隣にいる今、本気でこの人を好きだと思った。