キミが愛しいと気付いたからで



いつも思う。


先輩はいつも俺をドキドキさせる。


けれど先輩はいつも寂しそうに微笑む。





『美嘉先輩、先輩はいつも俺といると寂しそうに笑いますよね。

 俺、美嘉先輩の笑った顔が好き。
 けど…美嘉先輩はいつも俺に寂しそうにしか笑わない。

 なんで?』





ただ、俺は先輩の傍にいたい。


ただ、俺は先輩の笑顔をみていたい。



ただ、先輩の隣にいたいだけ。





けど、先輩はいつもこう言うんだ。





『悠斗…。

 美姫が悠斗の返事、待ってるから』




練習の後、体育館の裏で俺と話したいのは美嘉先輩じゃない。


美嘉先輩の口から出た、“美姫”先輩だ。








『俺は美姫先輩に返事したから。
 好きな奴がいるから無理って…』



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