強引な彼との社内恋愛事情*2
春、木漏れ日より
「千花(チカ)さん」眠っていた私を揺り起こす声がした。
「千花さん」
ゆっくり目を開けると、すごいどアップの広重(ヒロシゲ)。
「千花さん、大変。もう九時だよ。遅刻」
「……えっ?」
飛び起きると、ベッドのスプリングまでが驚いたみたいに跳ねた。
「嘘。やばい…」
ベッドサイドに置いてある、目覚まし時計を手にする。
もう九時を十分は過ぎていた。
本来なら、私は今頃、会社で朝の朝礼を行っているはずだ。
どうして鳴らなかったの?
八つ当たりしてる暇もなかった。
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