強引な彼との社内恋愛事情*2
「再現しちゃった?ログとれそう?」
近づくと、そのまま両腕に包むように抱きしめられた。
「……ひ……ろしげ」
「休憩」と甘えた声を出すけど、谷くんが戻ってきたらと気が気じゃなくなる。
「焦りました?さっき話を流した罰です」と腕を離すと笑うから、軽く小突いた。
「そういえば行きます?」
「ん?」
「バーベキュー。来週の日曜日」
「……行かない」
「言うと思った」
そのタイミングでドアの解除音が鳴った。谷くんがドアを開けると、「何かありました?お見合いして」と、言うものだから、一瞬ひやりとしたけど、抱き合ったところは見られていないはずだ。
「来週のバーベキュー行くか、千花さんに訊いてて。谷さんは行きますか?」
「行かないよ。広重は行くんだろ?遠山さんはどっちですか?」
「私も行かないかなって、話していたとこ」