強引な彼との社内恋愛事情*2
「あっ、そういえば、俺のとこで参加するか書けって紙止めてた。遠山さんのも書いて回しておきますね」と、言っていたから頼んでいたはずだったのに。なぜか参加になっていたというのを今日の日中に知った。
不参加に変えてもらおうと思ったけど、広重がなぜか喜んでいたので、断りきれず。しかし、気の重さは変わらない。
特に仲の良い人もいないのに、私が参加するなんて、不自然じゃないかって。
ぼんやり思い返していると、「これで安心」と、抱き合った身体から手を離して言った。
「えっ?」
広重の視線を追うように、私の胸元に目をやるとキスマークが、しかも複数つけられていた。
なんか長いキスだと思っていたけど。
「こんなのつけられなくても、水着なんか着ないってば」
「違うよ」
「え?」
「魔除け」と、言われたけど、当分、胸元ばかり気にしてTシャツさえ着れないかもしれない。
「俺には?」と、言われたけど、「そんな若いこと出来ない」なんて、つっぱねって、ベッドの中に潜り込んだ。
ちぇっと、可愛い舌打ちが聞こえた。