強引な彼との社内恋愛事情*2
◇
翌日。結局、向かってしまう私は可愛いものだと思う。
集合は海の駐車場らしく、そこまで村上くんの車に乗せてもらえるようにと、広重がお願いしてくれて一緒に行くことになった。
もちろん、広重とは別行動で、私はひとり駅前で彼らが迎えに来るのを待っていた。
村上くんの恋路とはいうと、未だに進んでいないらしい。
水谷っちは、手強いというか、村上のアピール、なにひとつ気にしないってすごいかもと広重は言った。なので、今日にまたかけているみたい。
広重も、広重で、村上くんに私のことを気に入ってるような話は前からしているらしい。
だからこそ、迎えに来ても自然と言えば自然なのだけど。
だけど、「千花さんに片思いしている体で、今日は接します」なんて言う。好きなんだから、無理だよ。顔に出てしまうに決まってる。やっぱり、必要以上にからまないでほしい。正直、自信がなかった。
待ち合わせ時間、丁度になる。村上くんの車の助手席には、広重がいた。
「お疲れっすー」なんて言うけど、つい一時間前まで、彼の家にいたから、ちょっと笑いたくなる。
だけど、車の中にいたのは、水谷さんと金子さんだ。一気に気分がげんなりしてしまうのは仕方ない。金子さんは、同期だけど、仲はあまり良くないと、私でも思うのだから。