強引な彼との社内恋愛事情*2
広重とその夜、電話で少しだけ話をした。


谷くんにハーゲンダッチュを奢ってもらったんだ、と言ったら、なんで?と切り返される。


「なんでかは知らないけど。偶然、コンビニで会ったから?なんとなくじゃないかな?」としか言いようがない。


「ふうん」と、呟くから、面白くないと思ってるように感じて、「そういえばね、谷くんも彼女と行くんだって。花火大会」と、潔白を証明するかのように、思い出したことを言った。


「へえ。彼女とですか」


「ていうかさ、谷くんもだけどさ。会社の人に会いそうで恐いな」


「まあ。行く人多そうな気がしますけど」


「だよね」


「俺は逆に見つかりたいかも」


「はっ?」


「いや、嘘。でも、半分、本当」


「……」


「なにか言ってくださいよ」と苦笑いしてるってスマホ越しで感じた。
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