強引な彼との社内恋愛事情*2
「ああ。うん。面白いね」
「どこが?」
「うん?冗談言う感じが?」
「……千花さん」
いよいよ溜め息を吐かれた。
「訊いてもいいですか?」
「うん」
「結婚しても仕事は続けたいとか思ってますか?」
ドキッとした。付き合ってすぐに、結婚なんて言葉は結びつかないから。
まだまだ先にあるものだと思っているし。
広重は、私より若いのだから、余計にそう思っているのだと決めつけていた。
「うん。今のところは、それが理想かな」
「そうですか。……例えばですよ?俺と千花さんが結婚するとかなったら、会社どうするの?続けたいなら、みんなに言わなきゃいけないし」
「そ……そのときは、ちゃんと報告するよ」
「本当に?」
「本当」
「約束できる?」
「できるよ」
「ごめん。なんかまた変なこと言ったかも」
「……ううん」
「あ。話は戻るけど、花火大会は安心してください」
穴場スポットがあるので、そこで見ましょうと言ってくれた。
どこ?って訊いたら、当日のお楽しみですよと、ようやくいつもの広重に戻ったみたいに明るく笑った。