強引な彼との社内恋愛事情*2
夏祭りと、彼
お盆休みの前日。総務の前に金子さんと猪俣くんがいた。
猪俣くんは、准一の同期で、けっこう仲良かったなと、あのメールのせいか、そんなことを思い出してしまった。
そのまま総務まで行こうとしたけれど、「准一くんと会うんだ?」という金子さんの声で足が止まってしまった。
「そう。呑もうって言ってるんですよ。会うの結婚式以来なんですけど」
「嘘。私も行きたいな」なんて言って、笑ってる。
嫌なタイミング。
金子さんと目が合って、また文句をつけられたら嫌だから、書類を手に引き返そうとした。
「遠山さん」
「あっ」
目の前にいたのは水谷さんで、私の手元を見ると「持ってきてくれたんですか?」と、微笑むから彼女に手渡してその場を後にした。