強引な彼との社内恋愛事情*2

「さて、と」


明日から、休み。気を取り直して、家路に着いた。


明日は朝からゆっくりしていられるし、広重が今日から、泊まりに来てくれる。


お盆中は、一度実家に帰るけど、近いし。私の家にいると言ってくれた。


やっぱり、寂しがり屋なのかもしれない。いてくれることが嬉しいなんて。


広重には言えないけど、花火大会に行くから、実は新しい浴衣も買ってしまった。


本当は、ピンクとか水色の可愛い柄にも惹かれたんだけど、結局は黒を選んでしまった。


そんな年じゃないし、似合わなそうだし。浴衣でさえ、冒険できないなんて。


ふうと一息ついた頃に、広重がやってきた。インターフォンが鳴って、迎え入れると、「なんか呑むかと思って」と、コンビニで買ったお酒とジュースとお菓子が見えた。


「ありがとう」と、受け取る。


家の中がいちばん自由かもしれない。誰の目を気にすることもない。


少しばかり、お酒を呑んだ。


普段観ないテレビだって、一緒にいたら面白いし、笑って、それから、目があって、自然と抱き合ってた。

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