強引な彼との社内恋愛事情*2

だけど、朝、目覚めた瞬間。


仕事、と思って身体を起こしてしまった。


違かった。休みだって、隣で眠る広重を見て、我に返る。


なんか病気みたい。


頭の片隅に、仕事がこびりついてるなんて。


広重は、そんなことないんだろうな。


「千花さん」と、呼んだから、また隣を見る。まだ寝てた。寝言だった。


どんな夢見てるんだろうって、見つめてしまう。


不思議だなぁ。


なんで、私のこと好きなんだろう。


その気持ちのままでいてほしいと、願ってしまう。


ずっと好きでいたい。だから、広重が私のことをずっと好きでいてほしいんだ。


そしたら、ずっと私は広重のことを好きでいられるのだから。


キュッと心の中になにかを詰め込まれた感覚になる。


苦しいような、心地いいような。少しの寂しさと哀しさも寄り添って見える。


愛おしいって、こんな気持ちなのかもしれない。
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